NPO法人 彦根景観フォーラム

《談話室》それぞれの彦根物語2010.10.16

【彦根物語77】
「中世の笑い ―ファルス(笑劇)の世界と狂言の世界―」    

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小澤 祥子
(関西大学文学博士)

 彦根に初めて来たのは昭和40年12月です。早大の学生劇団に所属していて、新しい市民会館で「夕鶴」をするためでした。演出をしていた人が彦根東高出身だったのです。吹雪の中、まだ木造だった駅からまっすぐの鄙びた道を歩いて市民会館へ行きました。岩手出身の私には、こんな南で雪が降るとは驚きで、また、赤い紅殻格子の町並みがとても印象的でした。その彦根に17年間(昭和49年から平成3年まで)住むようになるとは夢にも思いませんでした。今は秦荘に住んでいますが、20年前にボランティアグループひこね国際交流会VOICEを結成し日本語教室等で活動を続けているので、私の活動の基盤は今でも彦根です。
大蔵流狂言の稽古も彦根で受けていて、彦根城で発表することもあります。その仲間達と3年前から城西小学校の6年生に狂言を教え、卒業発表のお手伝いをしています。素晴らしい彦根城博物館の能舞台を踏める子供達は何と幸せなことだろうと思います。
この狂言の中で、『濯ぎ川』という人気の高い戦後の新作狂言が、中世フランスのファルス(笑劇)からの翻案(飯沢匡)だということを知り、関西大学で学んで博士論文『中世フランスのファルスと狂言の比較』を2008年に書きました。「彦根物語」のお話があったときは、直接彦根の町とは関係のないファルスと狂言で大丈夫だろうかと躊躇しましたが、当日は『濯ぎ川』の実演などして、とても楽しく発表できました。日本とフランスは遠く隔たっていますが、ファルスと狂言の比較を通して、人間として変わらぬ姿と、社会特に宗教によって表れ方の変わるところを見て、少しでもフランスを身近に感じ、また日本の古典芸能の面白さに触れていただけたら、と思いました。

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【キーワード】
ファルス=騙し
騙したはずが騙されて
下ネタ
『パトラン先生』
コキュ(寝取られ亭主)
バダン(道化役)
狂言=面白おかしい言葉
和合の笑い
『清水』
『末広がり』
太郎冠者
わわしい女
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by hikonekeikan | 2010-11-02 17:05 | 談話室「それぞれの彦根物語」
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