【彦根物語16】
「当世観光の裏事情」
一圓 泰三
(株式会社文教スタジオ 代表取締役会長)
私の本業は写真業です。はじめは卒業アルバムからスタートしましたが、徐々に出生率が少なくなりました。数は力なり、当時バス旅行が流行り始め、昭和35年頃から観光写真を始めました。
現在、テーマパーク、名所・旧跡、ホテル、旅館等、180ヵ所で700名が毎日写真を撮っています。毎日この180ヵ所の観光にたずさわる企業の裏側を見ているわけです。さまざまな場面を見て、サービス業の生き残る道がわかってきます。
観光事業には、「蜘蛛の巣商法(動けないもの)」と「蜜蜂商法(客を求めて動く)」があります。「蜘蛛の巣商法」で大事なことは、当り前のサービスから感動のサービスへ。心のこもった言葉や態度から客は心から感動し、リピーターとなります。また、私たち観光写真事業は「蜜蜂商法」です。移動が大変で、従業員の問題がありますが、蜜蜂のように客を求めて全国を飛び回っています。
観光事業の中でも、例えば上高地の松本電鉄さんのようにお金をかけないで素晴らしいアイデアで、客と経営者の都合をうまく合わせて、成功しているところもあります。
談話室では、出会った様々な観光事業の例を挙げましたが、そこから学んだことは、「顧客ニーズが成熟多様化する中、安定企業はない」ということです。
これからも、日々紙一枚の積み重ねを続けてまいります。
シャチのクーちゃんのレプリカをバックに撮影
(名港水族館)
ジュゴンとアオウミガメをバックに記念撮影
(鳥羽水族館)
集合写真(那智の滝)
【キーワード】
観光写真業
蜘蛛の巣商法
蜜蜂商法
★談話室「それぞれの彦根物語」の関連情報は、下記HPでもご覧いただけます。
滋賀大学産業共同研究センター
滋賀大学地域連携センター