NPO法人 彦根景観フォーラム

築城400年祭《談話室》 それぞれの彦根物語 2008.2.16

【彦根物語39】
「まちなかギャラリー ―実動80日」

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角 省三
(NPO法人彦根景観フォーラム会員、滋賀作家クラブ)



 大正末期、東京高師卒の美術教諭鈴木三五郎が彦根中学(現彦根東高校)へ赴任してきた。
新しい時代の芸術文化に憧れていた彦根の中学生たちは、洋画の技法にだけでなく、「教育は心のふれ合いだ」とする鈴木先生に、大いなる刺激を受け、昭和期の彦根の町の文化人の幾人かが生まれるきっかけとなった。
 彦根銀座のテーラー百々(どど)洋服店の二代目・百々松之助も「彦根中学以来一生の恩師は鈴木三五郎先生なり」―本人の日記より―として、平成19年、当ギャラリー開催中に98歳の生涯を終えるまで、商業の傍ら師の歩みの跡を追い続けたいわば万年門下生であった。
空き店舗となって残されていた百々洋服店の明治期の木造瓦葺の建物を活用して、師匠鈴木三五郎(のち愛知教育大学名誉教授・日展委嘱)と、その弟子百々松之助(市美術展審査員・公民館でお絵描き教室開催)の絵画作品を中心に陳列させて頂きました。
 8ヶ月4期間のトータル・プランの中に、市民参加型の企画「傘壽を超えてもまだまだ元気な・彦根の絵描きさん」と「ひこねのまちの色んなアーチストたち」を組み込み、国宝彦根城築城400年祭協賛の「まちなかギャラリー」ということで活動させて頂きました。
 鈴木先生のご遺族三姉妹が遠方から来て頂いたり、市内の絵の先生やそのお弟子さんたち、それに、絵画を見ることが好きだという市民の皆様、ご近所の小学生から高齢者の人たちまで多数がご来館頂き、思いがけない新しい発見などもありました。
「大きな会場での絵画展よりゆっくりでき心癒される思い」と言われた年配の女性画家、「今、彦根城を見てきましたが、あれはほんものですな!感激してきましたよ!」と発言された、金の鯱で誇り高い筈の名古屋市民。
 週末と祭日、臨時開館も含めての80日は、ご協力頂いた人たちを含め、さまざまな人たちとのステキな出逢いと、しびれるような感動を覚える一日一日でありました。

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静物(鈴木三五郎)

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湖北(鈴木三五郎)

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編物(百々松之助)

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芹川(百々松之助)


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by hikonekeikan | 2008-02-25 18:04 | 談話室「それぞれの彦根物語」
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