NPO法人 彦根景観フォーラム

『それぞれの彦根物語 第41回』 3月22日


彦根城築城400年祭の市民サポーター 彦根を盛り上げ隊
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国宝彦根城築城400年祭市民文化創造部会・部会長、
彦根を盛り上げ隊   岡本 博之さん



 「それぞれの彦根物語」では、彦根城築城400年祭の振り返りを行っています。
 400年祭は、「おんぶにだっこ」のお上依存意識が強いといわれていた彦根で、自ら考え自ら行動する市民が相当な数で前面に躍り出て活躍した転換点ではなかったでしょうか。まちなかギャラリーを開いた角さん、オニバスプロジェクトの中川さん、屋形船でお堀めぐりを楽しんでもらう事業を立ち上げた小島さん達。
 今回は、実行委員会・市民文化創造部会の部会長であり、彦根を盛り上げ隊のメンバーでもある岡本さんと、彦根を盛り上げ隊の隊長の正村さんのお話を聞きました。
概要は後日報告されますので、印象深い点をいくつか紹介しましょう。

 まず、市民文化創造部会という発想が秀逸です。
 400年祭実行委員会は、主催事業23を行う主催部会の他に、実行委員会以外の団体が400年祭に協賛して行う50事業と後援する58事業を担当する協賛部会がありました。ここまでは普通ですが、新しく市民の提案や発意を募集して実現、事業化していく市民文化創造部会が設けられました。そして500通の市民提案をもとに、「彦根江戸実感劇団」、「キレイHIKONEキャンペーン隊」、「彦根どんつき先導隊」、「ゆらっと遊覧 彦根城お堀めぐり」の4事業を企画します。そして、この4事業を実施するために市民サポーターを募集したのが「彦根を盛り上げ隊」です。当初40名でスタートしましたが、正村隊長以下の熱意あふれる積極的な活動に賛同する人々が次々に集まり、最終160名が登録します。
 これは、一種の新ビジネスを起こす起業の仕組み、ベンチャーを育成するインキュベーター(孵卵器)と呼ばれる仕組みです。それを実行委員会に組み込むという優れた発想は、400年祭が終わった後に何を残すのかを深く考えた人たちがいたことを物語っています。

d0087325_23251191.jpg  第2に、「彦根を盛り上げ隊」は、400年祭を盛り上げるためのサポーター集団だと思っていましたが、もうひとつの意味が込められているのです。それは、彦根をもりあげるために、市民「を」サポートするしくみだったのです。
 実際に盛り上げ隊に参加した人が当日も参加されて感心されていましたが、いろいろな市民の思いを聞き、「やりましょう、一緒にやりましょう」と積極的にサポートし、自らする活動に巻き込んでゆく「彦根を盛り上げ隊」の、市民を市民がサポートする魅力あふれるしくみは、一人ひとりを元気にし、仲間を、市民を、そして訪れる人々を活性化します。これは、災害ボランティアの経験をもつ正村隊長の人柄も大きく貢献していると思われます。
 いつも思うのですが、まちの財産は実は人なのです。一人ひとりの行動力や資金、知識は限られていても、多くの人がつながることでたくさんの引き出しができて、一つの方向に動き出すとき、人は生き生きと活動し、まちは輝き始めます。すでに次のステップに向けて動きだしている「彦根を盛り上げ隊」には、そんな魅力ときっとやってくれるという自信を感じます。

 もうひとつ、面白かったのは、こうした活動と岡本さんの本業との関係でした。
 岡村酒造は、酒蔵を公開したり、酒の仕込み体験などを行って有名人も多数訪れています。岡本さん自身は、都会のサラリーマンをやめて実家を継いだのですが、彦根でのまちづくり活動を通じて古いものの魅力に気づいたことが新しい取り組みの大きな契機になったと参加者の質問に答えられました。
 400年祭を境に、彦根は人も事業も変わったと感じた一日でした。
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by hikonekeikan | 2008-03-30 23:29 | 談話室「それぞれの彦根物語」
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