【彦根物語44】
「ベロタクシー ~街の風景になじむ移動手段~」
齋藤 毅
(NPO法人五環生活
自転車タクシー事業部リーダー)
ベロタクシーは、名前の通り「タクシー」ですが皆さんがご想像されるような、目的地に急いでいる時に便利なタクシーではありません。ベロタクシーはとにかく遅いのです。
「自分で自転車を漕いだ方が早いから、やめとくわ」「走った方が早いから、やめとくわ」といった理由で乗車を断られる場合があるという、不便な?乗り物です。
実際ベロタクシーをご覧になったことがある方は、ベロタクシーが夕食のお買いものに出かけるお母さんが乗る、自転車に抜かされることも、ベロタクシーを走って追いかけてくる小学生にも抜かされてしまう事を申しましても驚かれないと思いますが、まだ実際にベロタクシーをご覧になられていない方に、そんなお話しをしますと、「そんなに遅いなら、ベロタクシーは交通手段としてダメじゃない?」とご指摘を受けそうです。
確かに交通手段の魅力=速さとして考えた場合、自転車タクシーであるベロタクシーは不便です。しかし、この「遅さ」がベロタクシーの持つ魅力であると言えます。ベロタクシーは、先端技術の「ハイテク」と人力の「ローテク」の良いところを結びつけることにより生まれた「ちょっとだけ不便だけど愉しい」スローテクの乗り物です。ベロタクシーが街の風景になじむ移動手段で彦根という町に受け入れられ、既に市内県内県外を問わずファンやリピーターのお客様が生まれているのは、人間本来が「心地よい」と感じるスピードに合った「スロー」な乗り物だからではないでしょうか。
市内の児童へクリスマスケーキの配達をしました
ベロタクシーは大変注目される乗り物です
子どもにもとても人気があります
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