NPO法人 彦根景観フォーラム

カテゴリ:談話室「それぞれの彦根物語」( 118 )

《談話室》それぞれの彦根物語2009.12.19

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by hikonekeikan | 2010-01-13 10:00 | 談話室「それぞれの彦根物語」

《談話室》それぞれの彦根物語2009.4.25

【彦根物語64】
 「旅する菓子屋 モロッコ行」     

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今井 章子
(ナチュラルスイーツ&旅のお茶Ruwam)


昨年5月、彦根の花しょうぶ通りにあります、街の駅「力石」にてカフェをオープンしました。花しょうぶ通り商店街の個性豊かでパワフルな皆さんに助けられ、早くも一年が過ぎました。
 
 Ruwamでは国産小麦と有機豆腐を中心とした「卵や乳製品を使わない」素朴なお菓子が
主役です。そしてもうひとつ、「旅のお茶」がメインです。

東南アジア・アフリカ・中東・・・といったあちこちのお茶を楽しみ、日本に居ながらもちょっとした旅(異国)気分を味わってもらおうというものです。
おいしいものが好きな私は旅に出るたびに出会う その初めての味や香りをRuwamにやってくるお客さんに伝えたいと思うのです。
よく「買い付け」や「仕入れ」と言った言葉が使われますが、ちょっと意味が違います。
私はその土地に赴き、人と出会い、その土地の人が愛する飲み物、日常飲んでいるものを味わいながら 人と語り、その国を知る という旅をしています。
そのため、持ち帰ってくるお茶にはなんらかのストーリーや、私のイメージする「その国」がしっかりと入っていたりするのです。
そんな旅の記憶をたどって お菓子を焼き、お茶を淹れ カフェを営んでいます。

 今回の談話室では、2009年1月~2月にかけて旅をしてきました「モロッコ」を中心に紹介しました。そのときのモロッコは日本と同じく冬にあたり、想像よりもはるかに寒く ろくに暖かい服を持っていかなかった私は毎晩上着を着こんで寝ていました。

海岸部のカサブランカ~メクネス~古都フェズと電車を使い、その後は大道芸人の町マラケシュへ。そこからは南下し、最果ての砂漠「マハミド」へと放浪していました。
モロッコの砂漠はアルジェリアにつながっています。そこまで行くと昼間はとても暑く、空気が乾燥していて水を2リットルほど飲んでいても一度もトイレに行かない程です。
一緒にいたモロッコ人のモハメッドとソフィアンがほとんど水を飲まないのには驚きでした。らくだとともにてくてくと歩き、砂漠で眠るという生活を4日ほど送りましたが 最後まで私は5分に一回くらい水を飲んでいました。
 
モロッコでは日本と同じく家に来た客をお茶でもてなすという習慣があります。
知り合うとすぐに「家に遊びにおいでよ」という意味で「お茶を飲みにこない?」っといった具合にお呼ばれするのです。そのときのタイミングにもよるのですが、お茶を飲んですぐ帰る場合もあれば、一緒におしゃべりをし 最後は晩御飯までご馳走になることも。
 そんなチャンスがあるたびに私は各家の家庭料理を一緒に作らせてもらい、覚えてゆきます。モロッコ料理にはハーブやスパイスの他、オリーブやレモンを煮込みに加えるため、庭にそれらの木がある家庭もありました。

海岸部以外は町の周りが砂漠で、雨も少ないため、水がとても貴重です。
そのため料理にあまり水を使いません。タジンという厚手の陶器鍋で蒸した料理や、蒸して食べる世界最小のパスタ「クスクス」などがありますが、どれも茹でることがないので最小限の水しか必要としません。
 まだまだ台所にガスの設備がないところは かまどのような場所で薪をくべ、そこで調理します。そのため 夕方5時頃から準備を始めても食べる頃には9時を過ぎていることも日常茶飯事。空腹とスパイスの香りに包まれ、いっそうご飯がおいしく感じます。
 そして食後は甘いアラビアスイーツと、モロッコティー。
モロッコティーとは日本の緑茶に似たような味の少し渋みのあるお茶を煮出し、たっぷりとお砂糖とミントを入れたものです。モロッコはイスラム教を信仰しているためお酒は一切飲みません。そのため、いつ何時もミントティーなのでした。
甘ーいスイーツ(本当にすごく甘いのです!)と甘―――いミントティーなのですが
あちらの気候で飲むからか とてもおいしく、より一層会話が弾むのでした。

 世界には私がまだまだ出合ったことのない味や、香り、調理方法がたくさんあります。そしてそこでしか出会えない人たちが居るのです。そんな未知への興味と興奮がときおりやってきては 私はまた旅に出てしまうのでした。

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*時々放浪している私を いつも温かく迎えてくださる花しょうぶ通り商店街の皆さんには本当に感謝しています。ありがとうございます。*

【キーワード】
Ruwam
旅のお茶
彦根
花しょうぶ通り「力石」
ベジタリアンスイーツ
モロッコ
自然&素朴なスイーツ
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by hikonekeikan | 2009-12-14 18:25 | 談話室「それぞれの彦根物語」

《談話室》 それぞれの彦根物語 2009.11.14

【彦根物語69】
 「うるわしき湖国よ永遠に」~琵琶湖博物館ギャラリー展から~    


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大橋 洋
(滋賀県立琵琶湖博物館・はしかけ
-温故写新・古写真整理グループ、
父子二代のアマチュア写真家)


 
高校教師のかたわら60年余りアマチュア写真家のはしりとして、写真を撮り続けた大橋宇三郎の写真4万点を、滋賀県の要請で提供したのが平成7年5月でした。
保管している琵琶湖博物館の依頼で本格的整理が始まったのが平成14年6月。
 昨年、整理の完了した写真を使い、2カ月にわたるギャラリー展を、琵琶湖博物館企画展示室で行い、イオンモール草津オープン記念展示会としても17日間行いました。
 今年6月に縁あって、善利組足軽倶楽部さん主催の写真展を地元彦根でしていただき、これに次ぐ彦根での開催・写真御紹介の機会を御提供いただきました。
 長曽根、回転橋、旧彦根港、松原、磯、マルビシ百貨店、ゑびす講、彦根銀座、等この半世紀の変化に驚くと同時に、私たちが祖先から受け継いだ大切なものも無くしてはいないのかと疑問を抱かざるをえません。
この7年間、父子今昔写真として、琵琶湖博物館と共同で整理を進めてきました。
父・大橋宇三郎が遺した昭和の良き時代の写真と、息子・大橋洋の撮る平成の現在を比較し、琵琶湖の環境を守り、湖国の伝統・文化を大切にしなければならないというメッセージをお伝えすることで、幼少期病弱で何度も生死をさまよった私を、健康な人間に育んでくれた母なる湖・琵琶湖への恩返しにしたいと願っております。

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昭和30年代 長曽根湖岸


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昭和34年9月 伊勢湾台風のあと


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昭和30年代 地引網で小鮒を引きあげる


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昭和30年代 子どもたち


【キーワード】 
長曽根水泳場、回転橋、松原水泳場、国民宿舎湖城荘、旧彦根港、
マルビシ百貨店、パリヤ、彦根銀座、ゑびす講、伊勢湾台風、
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by hikonekeikan | 2009-12-14 17:28 | 談話室「それぞれの彦根物語」

《談話室》 それぞれの彦根物語 2009.10.17

【彦根物語68】
 「中国のゆくえと日本との関係」     


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荒井 利明
(滋賀県立大学人間文化学部 教授))





 2006年春、滋賀県立大学の教員になって以降、本や新聞などを読んでいると、彦根や滋賀県にかかわることが目に入ってくるようになりました。
 山崎朋子さん(『サンダカン八番娼館』の作者)の『朝陽門外の虹』(岩波書店、2003年)は雑誌『世界』連載中から知ってはいましたが、読んではいませんでした。最近手にしたのも、彦根で暮らすようになったからだと思います。山崎さんが描いたのは、高島出身の清水安三さんと彦根出身の横田美穂さん夫婦の北京・朝陽門外における貧しい中国人女性のための教育実践です。それは日本軍による中国侵略が続いていたころの話しです。
 今日、日本と中国、両国の国民感情は世論調査などをみても、決してよくはないのですが、清水さんや横田さんと同様の思いを持って、中国で地道な活動を続けている日本人がいないわけではありません。
 私が学生諸君にすすめているのは、「中国へ行ってみよう」、「中国人の友だちをもとう」ということです。

 
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【キーワード】
 山崎朋子、『サンダカン八番娼館』、『朝陽門外の虹』、清水安三、横田美穂、文化大革命
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by hikonekeikan | 2009-12-14 17:14 | 談話室「それぞれの彦根物語」

それぞれの彦根物語70 開催のお知らせ

それぞれの彦根物語70 
日時 平成21年12月19日(土)10:30~12:00
会場 ひこね街の駅「寺子屋力石」

「昭和初期の彦根」
語り手: 渋谷 淑子(グループ樟くすのき 美術教育部 金亀土壽シブヤ代表)
シブヤ写真館初代館主渋谷定次郎(渋谷淑子の父)が撮した写真をとおして、昭和初期の彦根を語る
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by hikonekeikan | 2009-11-21 15:48 | 談話室「それぞれの彦根物語」

彦根まちなか見聞録 昭和30年代の写真が描く過去と未来

それぞれの彦根物語69 平成21年11月14日(土)

 「うるわしき湖国よ永遠に」  琵琶湖博物館ギャラリー展から
          大橋 洋(親子二代のアマチュア写真家)


d0087325_14135358.jpg 写真は、流れていく時間の一瞬を切り取る。その魅力は、撮影者が最も美しいと感じる瞬間を記録する点だ。だからこそ、写真には記録以上の共感がある。どんな角度で、どこの位置から、どんな構図で何を狙って、何を残そうとしたのかが伝わってくる。

 彦根在住の大橋さんは、お父さんの宇一郎さんの撮り溜めた膨大な写真を整理し、自らもその場所に行って現在の様子を撮影した。そして、定年後に滋賀県立琵琶湖博物館の「はしかけ」(ボランティア学芸員)となり、2008年9月~11月まで「うるわしき琵琶湖よ永遠に-父子の見た湖国」というギャラリー展示を博物館で行った。
 今回の彦根物語ではその中から主なものを選んで紹介された。 長曽根の湖岸、彦根港-松原回転橋、松原浜、彦根駅前、銀座街、昭和新道付近などを中心に、主に昭和30年代と現在の写真を比べつつ、参加者から思い出や写っている人物についての情報を聞かれた。

失われた撮影ポイント
 大橋さんによると、かつて父が撮影したであろう地点を探して行ってみると、撮影場所自体が消えてしまっていることが多くあるという。長曽根の長い砂浜は、貸ボートやヨットでにぎわったが、今は湖岸道路敷になっている。市営国民宿舎「湖城荘」前に広がる湖岸は埋め立てられて、ホテルなどが建っている。佐和山を背景とした松原内湖で舟遊びをする子ども達を撮った場所も失われている。

湖と人
 白黒写真を見ていて、まず気づくのは「湖と人との近さ」だ。伊勢湾台風の後に砂浜に打ち上げられた流木を拾い薪にする人々、小中学校の水上運動会、地引き網漁、えり漁、シジミ漁、砂浜で若い女性達が綱引きをしたり、ファッションショーが催されたり、遊覧船で竹生島観光から彦根港に帰ってくるデッキ一杯の人々。湖は仕事の場であり、生活の場であり、学びの場であり、娯楽の場であったのだ。現在ではほとんど人はいない。したがって、写真も平板になり、おもしろくない。
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まちなみとこども達
 町並みが、都市計画道路によって暴力的に変わっていく過程も記録されている。ある商店の昭和30年代の白黒写真と現在の一見モダンな看板建築に覆われた店舗を見比べると、かつての重厚な店舗に戻した方がずっと人気が出るのではないかと思われた。
 子ども達も粗末な衣服であるが道路でさまざまな遊びをしている。コマ回しやたこ揚げ、獅子舞のまね、魚とり、ザリガニつかみ、ひなたぼっこ、大根を干す「はさ」組みに登るなど、子ども達だけの集団で生き生きと身体を使っている。こんな風景は最近めったに見られない。

現在から未来へ
 最後に、大橋さんは気になることを言った。私が死ぬときあの世に持って行くものは、私が撮った写真ではなく親父が撮った写真だと。たしかに、生き生きとしたすばらしい写真だが、それだけでいいのだろうか。
 私は、写真は過去から現在へ、現在から未来への贈り物だと思う。これらの写真は、大橋宇一郎さんから私たちへの素敵なメッセージが込められたプレゼントだと思う。それを受け取り、どう活かすのかは、私たちの世代の責任ではないだろうか。 (By E・H )
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by hikonekeikan | 2009-11-21 14:25 | 談話室「それぞれの彦根物語」

彦根まちなか見聞録 近江八坂ふるさと絵屏風が語るもの

それぞれの彦根物語67
 9月12日(土)の「それぞれの彦根物語」では、地域の高齢者の記憶を心象絵図に結晶させた「ふるさと絵屏風」の世界を、上田洋平さんが語った。
 上田さんは、彦根市八坂町にある滋賀県立大学の地域づくり教育研究センター地域再生学座の若手研究員で、地元学で新しい手法を開発した。その手法は「心象図法」と呼ばれ、地域づくりに新しい光を当てるものだ。上田さん達はこの方法で美しい「近江八坂絵図」を作った。
 お話は、前半が心象図法の背景や方法の説明、後半は「近江八坂絵図」の絵解きとなったが、後半は落語のようなおもしろさ、うんうんと頷いてしまう臨場感だった。
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心象図法とは
 心象図法は、簡単に言うと、地域に暮らす一人一人の「五感体験」を集め、語り合いながら、自分たちが暮らし、愛する地域、「心のふるさと」のイメージを、一枚の大きな絵図に仕上げてゆく手法で、地域の老若男女が世代を超えて地域のイメージを共有するきっかけになる参加型の楽しい作業であり、ふるさとを発見しまちづくりにつながるものとして注目を集めている。

 心象絵図の武器としての強みは、地域を全体として捉え地域の生活体験を「百聞を一見にして」見せるところ、そして、地域の人が自ら語り出す「地域のこころ」に迫る技であるところだ。具体的な手法は割愛するが、できあがった心象絵図は美しい屏風になって、次世代に語られるというだけではなく、地域の宝物として公民館などに飾られ、まちづくりのシンボルになるのだ。

「身識」を誘発する「ふるさと絵図」
 ふるさと絵屏風の効果は驚くべきものだ。
 日本は昭和30年代を境に大きく地域の生活が変貌し始める。主に地域の高齢者の体に刻み込まれた生活の記憶から描かれたふるさと絵屏風は、昭和30年代の「身識」(体にしみこんだ知識を意味する。個人の体験に裏付けされていない「知識」の対義語として上田さんが使う用語)の集大成であり、絵解きの会では、口々に思い出話が出て実演が始まる。

 上田さんが見せてくれたビデオでは、田植えの絵をみて「おばあさん」が、「苗をこう持って、こういう風に、ホッ、ホッ、ホッ、ホッ、ホッ、ホッ、(素早く一歩下がって)ホッ、ホッ、ホッ、ホッ、ホッ、ホッ、」と、腰を落としてリズミカルに苗を植える仕草を実演してみせた。あまりの見事さに周りからほめられると「これができるまで、姑さんからみっちりしこまれたなぁ」と照れ笑いしながらも得意そうだった。身体が田植え動作を覚えていることを実感させる姿だった。

 いま注目されているのは、認知症の予防、ケアに対する効果だ。8月23日、高島市で脳科学者茂木健一郎を招いたシンポジウムでは、絵屏風を使った回想法が認知症の予防・ケアに役立ったことが報告がされた。現在、高島市では「はあとふるマキノ」や市内5カ所の地域サロンで絵屏風回想法の本格的な有効性評価を進めている。

広がる「ふるさと絵屏風」づくり
 地域の「身識」を「百聞を一見にする」ふるさと絵屏風づくりは、滋賀県内各地に広がっている。すでに13近くの地域で絵屏風が完成し、さらに幾つもの地域で上田さんの指導を受けて作成中という。寺子屋力石にも草津市の駅前商店街で絵屏風づくりに取り組もうという人たちが、話を聞こうと参加されていた。
 
 これほどの人気の秘密は何だろうか。一つには「なつかしい」ということがあるだろう。
 それ以外に、地域というものの意味や厚みが現在とは全く違うことが実感できる。我々は、その土地に住んでいるだけで、仕事や学校は別の地域に通い、買い物は郊外のスーパーマーケットで地域とは無関係のモノを買い、遊びには都会や観光地に出かけていく。暇になれば家でテレビを見ている。子ども達はビデオゲームに興じている。実体としての地元との接触面の大きさが格段に違う。5感による「身識」がとても少ないのだ。
 それが、絵屏風による絵解きを体験すると、追体験であっても、楽しくって、生き生きとしていて、すごくおもしろい。脳が求めているものを与えられて喜ぶという感じなのだ。
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絵解き「近江八坂絵図」
 「さぁさぁ、お立ち会い!これなるは、近江・八坂の昭和30年代の暮らしを描いた絵図にこざいます。」と上田さんが、寄席の落語を真似て扇子を振りながら、軽快なテンポで絵解きを始めた。金泥をつかい洛中洛外図のような美しい近江八坂絵図を描いた岡本康臣さんも彦根の若者だ。上田さんの絵解きのおもしろさを文章で再現することは不可能なので、絵屏風を解説する。

 絵屏風は右から春夏秋冬と描き分けられている。春、レンゲの花を水田に鋤き込むと水路にピンク色のゲンゲ汁が流れ、アクの強さに魚が酔って浮かび上がる。それを子ども達がすくって晩ご飯のおかずにした。その隣を嫁入り行列が行く。花嫁は白ではなく黒の和服に角隠しをつけ、荷物を担いだ人たちの後を歩む。琵琶湖岸の砂地の畑には「らっきょう」が栽培されている。女性が肥料をやっているがこれは小鮎だという。犬上川では産卵期に大量に小鮎がとれたので肥料にしたのだ。屏風の中央には木和田神社の祭の行列が描かれる。湖岸には地引き網を引く人、シジミ貝を捕る人、鮎のオイサデ漁が描かれ、沖の多景島をめざして神社のお供えを積んだ多くの小舟が漕ぎだしている。浜辺に腰を下ろしている男女は夏の夜の夕涼みだ。かたわらに蚊よけのたき火があり、その火が点々と夜の水辺に見えたという。また、冬には、漬け物用の大量の大根を「はさ」に架け寒風にさらしたため湖岸に白い壁ができたという。
 絵解きは、果てしなく楽しい時間が続くのではないかと思われた。

 最後に上田さんは、「最近、絵屏風づくりに尽力いただいた皆さんの訃報をよく聞くようになり、早く記録に残さなければと焦っています」と話された。地域の記憶が消えてゆく寂しさと同時に、本当にこれでいいのかというもう一つの焦りを感じた。(by E.H)
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by hikonekeikan | 2009-11-03 22:54 | 談話室「それぞれの彦根物語」

《談話室》 それぞれの彦根物語 2009.7.11

【彦根物語65】
 「ちんどん屋から広がるネットワーク」     

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芸名 団 朋希
  (彦根家チンダンバンド)
    
         
 彦根家チンダンバンドは、ちんどん屋の真似事をしています。3~5人程度で彦根を中心に活動中。

 ちんどん屋を私が初めて見たのは、2002年8月ちんどん博覧会にて(ちんどん屋への憧れを持つ)。1ヵ月後、イベントでちんどん屋になる(手作り楽器のプロを紹介してもらった。かなりへんてこなちんどん屋?)。2003年度滋賀県立大学卒業論文「街廻りにおけるちんどん屋と観客とのコミュニケーションに関する研究」(ネットで閲覧可能)。ちんどん屋への尊敬が生まれる。

 2005年11月~チンダンバンド本格始動。その後、個性的なメンバーが加わりいつのまにか「彦根家チンダンバンド」に。いろんな方との出会いに感謝!!
 ちんどん屋の魅力は町の人々の喜んだ顔を見るとき。笑顔は大事。にこっと笑いかけると人々もにこっとしてくれる。着物・化粧などができ、テンションがあがる。いろんな町に行くことができる。

 これからもアマチュアで楽しく、メンバーの居場所になるようにわきあいあいと、応援してくださる町の方への恩返しも込めて、ずっと続けていきたい。今後もよろしくお願いします。

HP: http://www.ab.auone-net.jp/~chindan/index.html

  【キーワード】
    ・ちんどん屋
    ・卒業論文
    ・人々の出会い
    ・居場所
    ・町への恩返し

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by hikonekeikan | 2009-07-16 09:58 | 談話室「それぞれの彦根物語」

《談話室》 それぞれの彦根物語 2009.4.18

【彦根物語63】
 「人生八十八(やそはち) -知るを一寸(ちょっと)楽しむ」     

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村岡 憲吾(元小・中学校教員)    



         
 京都の京阪、近鉄の「丹波橋」駅連絡通路に「桃山井伊掃部町」とありました。彦根より離れた地に思いもよらぬ案内板があるので見なれた場所を、もう一度見直してみようと思い歩き、関連のある事も調べてみました。

・もと城西小玄関に合った水道モニュメント
・楽々園経営の西村様にある池洲
・滋賀大を見守るように浅見波泉教授の歌碑
・今はない近江絹糸の迎賓館「和光会館」
・平成14年6月30日迄開院していた市立病院
・登録文化財の滋賀大の陵水会館、講堂
・城東小玄関鳥瞰図 それを関連づける
・1955年、昭和30年郵政省発行地図  
・城東小にある「考える人」の像とその原点
・京都博物館、噴水端のロダン作「考える人」
・城東小、城西小、佐和山小発行物よりの写真、内湖、災害、構造物、当時を表す写真
・1896年明治29年9月12日びわ湖増水、稲枝地区での石柱
・彦根の航空写真による年代での変化
・一本松供養塔 内湖のほとりにたっている。大洞弁財天長寿院が世話しておられる。

時間なく残った中山道に沿った個所がある。


城東小学校の「考える人」像d0087325_1033384.jpg
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1955年、昭和30年郵政省発行地図
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【キーワード】
・城西学区の特徴をあらわす個所 ・郵政省発行地図 ・城東小玄関鳥瞰図 
・琵琶湖大増水を表す石柱 ・琵琶湖疏水 ・彦根の航空写真
・北部土地改良と干拓事業 ・一本松供養塔
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by hikonekeikan | 2009-07-15 09:58 | 談話室「それぞれの彦根物語」

《談話室》『それぞれの彦根物語』7月号のお知らせ

ひこね街の駅「寺子屋力石」
    《談話室》『それぞれの彦根物語』7月号

   今月のテーマ: なつかしの民俗生活


【彦根物語65】 平成21年7月11日(土)10:30~12:00
ちんどん屋から広がるネットワーク」
             & ちんどんの演奏♪♪♪


   山名(旧姓 団(だん))朋希 さん  (彦根家チンダンバンド)
       (ちんどん屋がすべての始まり
         ~ ちんどん屋との出会い ~ チンダンバンド始動
          ~ 町の人の反応 ~メンバーとの出会い ~ 私の居場所 )


【彦根物語66】 平成21年7月25日(土)10:30~12:00
「稲枝にぎやかし大作戦」

    馬場 昭 さん (稲枝青楽団 代表)
     ~思いつきと遊び心とあとは縁。21世紀型青年団、稲枝青楽団。
      近江上布でふんどし作りなど、なにやらゆる~く活動中。~


 8月は、「談話室」も夏休みに入ります。 再開は9月12日(土)から

【彦根物語67】 9月12日(土)10:30~
ふるさと絵屏風をつくる 絵解き「近江八坂図」

   上田 洋平さん (滋賀県立大学地域づくり教育研究センター地域再生学座研究員)
      地域の高齢者の記憶を心象絵図に結晶させた「知識」ならぬ「身識」の世界。
      彦根市八坂町の絵屏風などを題材に、一席おつきあい願います。脳がよろこびます。
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by hikonekeikan | 2009-07-06 22:48 | 談話室「それぞれの彦根物語」