NPO法人 彦根景観フォーラム

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築城400年祭《談話室》 それぞれの彦根物語 2007.2.3

【彦根物語28】
 「彦根で大切にしたい自然」    

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村長 昭義
(彦根自然観察の会会長、
守り育てたい湖国の自然100選選考委員)


  「大切にしたい自然」というと絶滅の危機に瀕しているような生き物と捉えがちです。これは生物多様性としての視点であって、そればかりではなくて景観的な視点や歴史的な視点からも見ていきたい。
 生物多様性としての視点では、琵琶湖岸に生育するハマエンドウやハマゴウ、タチスズシロソウなど絶滅の危機に瀕している植物を大切にしたい。湖岸の砂浜は「浜欠け現象」が著しく、年々砂浜がやせ細り生育地のすぐそばまで水が寄せてきていたが、滋賀県が2005年に養浜工事を行い危機的な状況から脱することができた。ここの植物は地元の人たちが大切に守っている。ほかには多景島のイスノキや内湖の名残りを留める曽根沼の植物たち、芹川や犬上川・愛知川など川の自然、松原干拓地の自然、雨壷山や荒神山・佐和山など孤立山塊の自然、カキツバタ・ノハナショウブの生育する湿地、ブナ・ミズナラ林に生育する植物など彦根市内には守りたい自然がたくさんあります。
 景観的な視点では、棚田や渓畔木のように人と自然とが有機的(生態的)に結びつくことによって生じた景観(調和景観)を大切にしていきたい。
 歴史的な視点では、芹川のケヤキ並木や八坂のエノキ、新海浜の帰化植物たちがあげられます。新海浜には県内ではここでしか見られないめずらしい帰化植物も生育しています。これは羊毛のロックスを堆肥として導入した結果生じた植物たちで、痩せ地での農業の取り組みの歴史を示す生き証人として大切にしたいと考えています。

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【キーワード】
生物多様性
調和景観
歴史的な視点
海浜植物
川の自然
内湖の自然
干拓地の自然
孤立山塊の自然
山間湿地の自然
山地の自然

★談話室「それぞれの彦根物語」の関連情報は、下記HPでもご覧いただけます。
滋賀大学産業共同研究センター
滋賀大学地域連携センター
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by hikonekeikan | 2007-02-28 14:37 | 談話室「それぞれの彦根物語」

築城400年祭《談話室》 それぞれの彦根物語 2006.11.4

【彦根物語18】
 「女将が語る『袋町今昔物語』」    

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小島 征矢子
(料亭「小島」女将)


  過日は拙い話を聞いていただいてありがとうございました。
私自身もいろいろと思い出されて楽しい一時でした。子供の頃無関心だった事も、年を重ねると感じかたが、変わってきているのが良くわかりました。昼間でも電気をつけねば暗い天窓たよりの家、応接セットとかダイニングキッチンとかが憧れでしたが、果して今そんな家に暮らせるかな?
  道路も狭い、隣の家ともぴったりひっついて前の家とは2~3m、話し声も聞こえる、そんな町ですが、段々住人の平均年齢が上がり、子供の声がしなくなりました。時代に置いていかれたような町ですが、城下町ゆえにこんな町があってもと思っております。昼間の人口は少なくても夜になると少しは賑わうのですから。
袋町(今は河原2丁目)活性化の為、皆さん、お酒飲む人飲まない人にもお知恵と意見を聞かせていただきたいと思います。数は少ないですが、後継者もおりがんばっています。
 
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小説「花の生涯」のひとつの舞台となった袋町は、紅殻格子など当時の風情を今も残している。江戸期には味噌などの商人や職人の街であったが、明治以降滋賀県で一番の歓楽街として発展した。


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万屋(よろずや)

明治4年貸座敷の公許に始まり昭和4年には、その数69件にも上ったという。この万屋もそのひとつで格の高い内装の造りなど当時の姿をよく残している。客室の開口を大きくするための2階の窓の工夫もされている。

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【キーワード】
袋町、河原町2丁目、小説「花の生涯」、歓楽街、紅殻格子


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滋賀大学産業共同研究センター
滋賀大学地域連携センター
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by hikonekeikan | 2007-02-27 18:41 | 談話室「それぞれの彦根物語」

築城400年祭《談話室》 それぞれの彦根物語 2006.10.28

【彦根物語17】
 「佐和山を10倍楽しむ方法」    

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田附 清子
(佐和山城研究会代表)


  佐和峯 紅葉
 あはれさや 粮(かて)にうもれし 木々の色
                       (森川許六・彦陽十境集より)

彦根の町の東北に位置する佐和山からの眺望は、市内はもちろんのこと、湖北の町、伊吹山、晴れた日には琵琶湖の対岸まで望むことができる。
ここ数年「キャッスリング」という言葉を耳にするようになった。山歩きをしながらその山の歴史を訪ねるというのだ。
県内には約1300ヶ所の城跡があるといわれている。彦根城のように白亜の天守を持つものだけを城跡というのではない。
身近な里山の中に人知れずその遺構(土塁、堅堀、堀切など)は遺っているのだ。
その山の持つ歴史を知った上で行ってみると、山はまたちがった表情を見せてくれるにちがいない。今まで見えなかったものが、見えてくるにちがいない。
文頭の句は森川許六の作句である。許六の頃から「佐和山は紅葉がいい」と言われていたようだ。
あなたも自分だけの佐和山を見つけに訪れてみませんか。

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本丸南斜面に残る石垣

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丸瓦片(三つ巴紋)

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本丸の城跡石碑

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本丸から彦根城を望む

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本丸から北を望む
 フジテック社のタワー 晴れた日にはそのむこうに伊吹山が見える

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佐和山今昔鳥瞰図(本田太郎作)



【キーワード】
佐和山城址、キャッスリング、織田信長、石田三成、井伊直政、森川許六「彦陽十境集」


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滋賀大学地域連携センター
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by hikonekeikan | 2007-02-27 16:01 | 談話室「それぞれの彦根物語」