NPO法人 彦根景観フォーラム

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足軽屋敷公開と「上田道三」絵画展 7月5日(土)、6日(日)10:00~16:00

              井伊直弼と開国150年祭 市民創造事業
 
 本年は、彦根市の芹橋足軽屋敷出身の画家で、彦根を愛し城下町をこよなく愛した故上田道三氏の生誕100年目の年であり、また、彦根を愛し、日本の行く末に心を砕き、日本を開国へと導いた井伊直弼の大老就任および日米修好通商条約締結150年目の節目の年でもあります。

 善利組足軽倶楽部では、井伊直弼が愛した往時の城下町彦根の様子を絵画に残した上田道三氏の絵画展を、150年前の姿を今に伝える善利組足軽組屋敷を会場に、3回にわたって開催します。

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               上田道三が描いた彦根城旧観図

第1回 平成20年7月5日(土)、6日(日)10:00~16:00
場所: 彦根市芹橋二丁目(旧町名14丁目)
        善利組足軽屋敷・太田邸(彦根市文化財指定)、高橋邸(初公開)
○上田道三絵画に見る彦根城と埋木舎、彦根城旧観図、欅御殿旧景、埋木舎略図など25点。
○ 「彦根かるた」より井伊直弼関係の絵札と写真展示
○ 「埋木舎」写真展
    入場無料、予約不要です。

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初公開となる高橋邸




第2回 平成20年10月11日(土)、12(日)  中居邸(彦根市文化財指定)
第3回 平成20年11月8日(土)、9日(日)  辻番所・足軽屋敷
第2回および第3回の詳細については、随時お知らせしていきます。

主催:善利組足軽倶楽部   共催:芹橋二丁目第一自治会
後援:井伊直弼と開国150年祭実行委員会、彦根市教育委員会
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by hikonekeikan | 2008-06-20 23:35

《談話室》 それぞれの彦根物語 2008.3.22

【彦根物語41】
 「彦根城築城400年祭の市民サポーター『彦根を盛り上げ隊』」   

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岡村 博之
(国宝彦根城築城400年祭実行委員会 市民文化創造部会長、
彦根を盛り上げ隊メンバー)

 2007年3月21日より11月25日250日間開催された「国宝・彦根城築城400年祭」。準備委員会に関わっておられた皆さんからも「この400年祭を盛り上げる事はもちろん、400年祭以降に繋がる祝祭に」という言葉が口々に出ていました。イベントは一過性が強く、特に彦根は行政依存意識が強いといわれる中で、自ら考え自ら行動する市民が相当な数で前面に出て活躍された事、目的を持ち行動しようと思う人達が決してあきらめることなく最後までやり遂げられたことは、この祝祭の成功の大きな一助になったと思います。
その団体の一つの「ひこねを盛り上げ隊」の発足は、実行委員会が祝祭の内容を協議する中、私たちの部会がこの祝祭に必要とする、「市民自らの発想と行動」で、祝祭に来られる観光のお客様には彦根らしいおもてなしと、自らこの彦根を楽しむことこそ参加された皆さんも楽しむことができ、元気なまち「彦根」を創るものだと強く実感させて頂きました。
400年祭は終わりました。この祝祭で新たに芽生えたネットワークや思い切って一歩踏み出された行動力、事業を成功されたノウハウは、次なるまちづくりの礎となることは言うまでもないでしょう。ひとり一人の思いと行動力が継続の鍵となり「元気なまち彦根」がいよいよ始まりました。

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会議の様子




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活動の様子


















【キーワード】
人、想い、感激、楽しむ、未来、地域
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by hikonekeikan | 2008-06-20 14:24 | 談話室「それぞれの彦根物語」

《談話室》 それぞれの彦根物語 2008.5.31

【彦根物語47】
 「彦根の地場産業(ファンデーション)について」     

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坂下 弘徳
(京都産業大学大学院生)

私が、大学院にて研究し始めたキッカケは、「地場産業として彦根になぜファンデーションが発展したのか」その理由が知りたかったからです。
 全国に今、地場産業として約500余りの産地が形成して立地している中で、ファンデーションを地場産業として形成されている地域は、彦根以外にはありません。
 そこで、彦根にファンデーションが出来たのは、昭和26年で同時足袋製造の経験があった千鳥産業(株)により始まり、その設立の中心人物が木下武三氏であったこと。
 私自身、ファンデーションを勉強している中で、下着の歴史が約4万年前で、腰紐の様なものから誕生したと考えられており、その後、腰巻きであるロイン・クロスが発展し、そこから、今日の下着類であるショーツ、パンツ、ブリーフなどに発展していった。
 日本においても、戦後、洋装下着の時代に突入していくことになるが、その中で戦後の下着業界の貢献者であるワコール㈱の塚本幸一氏、チュニックの鴨居羊子氏の存在にたどり着く。
 同時に、彦根のファンデーションも洋装化の発展により順調に生産額を伸ばし、一時は日本一の生産高を誇るまでの地場産業に発展したが、その後に71年のニクソン・ショックと73年のオイル・ショック、そして中国・東南アジアなどの海外製品の進出などにより衰退を余儀なくされてきた。
 そして、今、全国の地場産業はかつての繁栄とは反比例して限りなく衰退へと向かっている状況です。その意味で、今こそ彦根の地場産業(バルブ、仏壇、ファンデーション)をもう一度見直し、その実態を理解する必要があるのではないでしょうか。
 その中でファンデーションについては、女性の約9割がお気に入りの下着を持ち、その下着から心と行動を変える心理的効果があると言われています。女性にとって、年齢に関係なくココロの若さを保つアイテムとして、お気に入りの下着を持つ意味が大きいことを男性は忘れてはならないと思います。
 その意味で年齢に関係なく、記念日(誕生日、結婚記念日など)などにファンデーションをプレゼントしてみてはどうでしょうか。
 きっと新しい発見に出会えることは間違いないです。

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ファンデーション発祥の地
(彦根市後三条町)











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現在の縫製会社の風景










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下着の原点 ロイン・クロス








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鴨居羊子と初代 鼻吉







【キーワード】

ロイン・クロス
ワコール㈱
塚本幸一
鴨居羊子
千鳥産業(株)
木下武三
ひこね繊維協同組合
地場産業
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by hikonekeikan | 2008-06-17 11:46

《談話室》 それぞれの彦根物語 2008.4.26

【彦根物語44】
 「ベロタクシー ~街の風景になじむ移動手段~」


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齋藤 毅
(NPO法人五環生活
自転車タクシー事業部リーダー)

 ベロタクシーは、名前の通り「タクシー」ですが皆さんがご想像されるような、目的地に急いでいる時に便利なタクシーではありません。ベロタクシーはとにかく遅いのです。
「自分で自転車を漕いだ方が早いから、やめとくわ」「走った方が早いから、やめとくわ」といった理由で乗車を断られる場合があるという、不便な?乗り物です。
実際ベロタクシーをご覧になったことがある方は、ベロタクシーが夕食のお買いものに出かけるお母さんが乗る、自転車に抜かされることも、ベロタクシーを走って追いかけてくる小学生にも抜かされてしまう事を申しましても驚かれないと思いますが、まだ実際にベロタクシーをご覧になられていない方に、そんなお話しをしますと、「そんなに遅いなら、ベロタクシーは交通手段としてダメじゃない?」とご指摘を受けそうです。
確かに交通手段の魅力=速さとして考えた場合、自転車タクシーであるベロタクシーは不便です。しかし、この「遅さ」がベロタクシーの持つ魅力であると言えます。ベロタクシーは、先端技術の「ハイテク」と人力の「ローテク」の良いところを結びつけることにより生まれた「ちょっとだけ不便だけど愉しい」スローテクの乗り物です。ベロタクシーが街の風景になじむ移動手段で彦根という町に受け入れられ、既に市内県内県外を問わずファンやリピーターのお客様が生まれているのは、人間本来が「心地よい」と感じるスピードに合った「スロー」な乗り物だからではないでしょうか。


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市内の児童へクリスマスケーキの配達をしました









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ベロタクシーは大変注目される乗り物です









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子どもにもとても人気があります










【キーワード】
ユニーク
スローテク
地域
心地よさ
恩送り
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by hikonekeikan | 2008-06-17 11:26 | 談話室「それぞれの彦根物語」

彦根物語46 彦根の地場産業・ファンデーション (2008.5.31)

それぞれの彦根物語47   街の駅「寺子屋力石」 談話室
 
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 京都産業大学大学院 
  修士課程2年次 坂下 弘徳 さん


坂下さんは、中堅の設備部品メーカーの総務部長さん。そんな人が、彦根の地場産業であるファンデーションをテーマに京都の大学院まで通って研究しているなんて、驚きました。


彦根のファンデーションの歴史
 坂下さんの研究を一言でいうと、彦根の地場産業であるファンデーション(下着)縫製加工業のケース研究です。この種の研究にはパターンがあって、まず、地場産業がその地で生まれた歴史を調べて成立要因を明らかにし、最盛期、衰退期をインタビューや会社資料などで調べて、発展要因、衰退要因を分析します。そして、今後、取り組むべき提言へと進めれば最高です。残念ながら、多くの地場産業は衰退しており、地に足の付いた提言はむずかしく外国の成功例を持ってきたりします。

 坂下さんによると、彦根のファンデーションは、木下武三と千鳥産業から始まります。ワコールの社史には、創業者塚本幸一が、八幡商業の同級生であった木下武三に働きかけ、彦根にワコールの下着を生産する千鳥産業を起こしたとあるそうです。しかし、坂下さんは、彦根の地場産業として足袋(たび)を製造していた夏川氏が、これからの足袋にかわる製品を木下氏に調査させ、東洋綿業(トーメン)の森本氏から米国輸出向けの女性下着の生産がよいとの情報を得て、木下氏が千鳥産業を起こし、対米輸出用の生産を主力にしていた中で、ワコールからの受注生産もするようになったことを見いだします。木下武三と千鳥産業の小さな碑が後三条に残されています。

 当日の参加者からも、多くの証言がでてきました。高度成長期の伸び盛りであった彦根の記憶が発掘され、人々のストーリーが掘り起こされる。わくわくする体験です。近江絹糸、カネボウ、トスコと多くの製糸工場が跡形もなくなり、和光会館という近代和風の名建築さえ、マンションに変わってしまった彦根で、坂下さんの努力は貴重です。

「自分化」
 彼の研究が、単なる地場産業論を超えてユニークな点は、下着へのこだわりです。世界と日本の下着の歴史、現代女性の「外から見えない下着」に対する複雑な心理などを紹介するとともに、ファンデーションの貢献者として塚本幸一と鴨居羊子に注目します。
 塚本は「日本の女性を美しく」というコンセプトで、徹底した日本女性の体型調査とマーケティングでトップメーカーを築きます。その原点は、近江商人の家に生まれた美しい母・のぶの、放蕩な父に虐げられた人生と、戦争で女性が女性でなくなった時代への強い反感だと分析します。
 鴨居羊子は、体を締め付け補整する下着を否定し、快適で健康的な新しい魅力を持った「第2の皮膚」をコンセプトに、「女性の実感」を大切にしたファンデーションを作りあげました。
 二人とも、下着を「自分化」しています。下着は「モノ」よりも「自分」ではなかったのでしょうか。

地域と産業の未来
 彦根のファンデーション業で生き残った数社も、コストを下げるため中国人派遣研修生の労働力に頼っている状況です。縫製組合の若い人たちが来られていましたが、サイズの多さ、原材料の制約などで、差別化というほどの差別化ができないという話でした。若い人が、「自分はこうしたい」というコンセプトを持てないのは、残念です。
 いま、地域は本当の意味で地場産業を必要としています。黒壁も、実はガラスという地場産業を町中に起こすことが原点なのです。坂下さんのユニークな研究は、時代や市場の背景と地域産業の関係を浮き彫りにするだけでなく、そこに生きた人の「思い」との関係もあぶり出そうとしているように思えます。では、この時代ではどうなのでしょうか。
坂下さん、論文が完成したらまた発表してくださいね。

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★彦根物語46は、残念ながら欠席しましたので、お伝えできません。
次回は、7月5日(土) 「城下町彦根を描く」 小田柿 寿郎 さんです。
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by hikonekeikan | 2008-06-12 01:02 | 談話室「それぞれの彦根物語」