NPO法人 彦根景観フォーラム

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《談話室》 それぞれの彦根物語 2008.9.20

【彦根物語52】
 「400年祭経済効果からみえてきたもの」  

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得田 雅章
(滋賀大学経済学部准教授)





集客効果やゆるキャラ“ひこにゃん”のブレーク等、「国宝・彦根城築城400年祭」は近年の彦根観光に大きなインパクトを残しました。
この400年祭にあわせて執り行われた、本格的な観光消費動向並びに経済波及効果調査は彦根市として初の試みでありました。そして、その一翼を担うことができたのは、「研究者として、また彦根市民として微力ながら貢献できた!」という喜びに満ちたものでした。
共同研究者としてご指導いただいた山﨑教授、事務方のこまごまとした手続きを全てお任せした畑中さん、データ提供や調査地点確保に尽力いただいた市の担当者の皆さん、そして調査員として多くの観光客に接してくれたアルバイト学生諸君、これらの方々は私にとってまさに天佑でありました。本調査を通じ、彼らと知り合えたことは、私の研究生活にとっての大きな財産となるでしょう。
今回は私のそうした「彦根物語」を披露させていただきました。図らずも、多くの参加者に興味を持っていただき、たくさんの真摯なご質問を受けることができました。感謝、感謝です。

■「四番町スクエア」アンケート調査会場
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■「彦根城表門」アンケート調査会場
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■「いろは松駐車場」アンケート調査会場
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【キーワード】
彦根城  400年祭  ゆるキャラ  ひこにゃん  彦根観光 
産業共同研究センター  アンケート調査  経済波及効果
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by hikonekeikan | 2008-09-22 18:59 | 談話室「それぞれの彦根物語」

第1回 多賀「里の駅」シンポジウム 9月28日(日)開催

多賀町一円(いちえん)という集落に、築250年といわれる古民家「一圓邸」があります。
 彦根景観フォーラムでは、ここを「里の駅」にして、みんなで使おう!という計画づくりを始めました。そのキックオフとして、第1回多賀「里の駅」シンポジウム を開催します。

開催日 平成20年 9月28日(日)
時 間  11時~14時 そばの花鑑賞会と新米での食事会 
                  集合場所 多賀町一円 野鳥の森駐車場
                  参加費   1500円

      14時~16時 一圓邸内覧会、多賀「里の駅」の目指すもの 
                 井伊直弼も泊まった「一圓邸」で、内覧会と多賀「里の駅」のめざ                   すもの」と題したシンポジウム(参加無料)を開催します。
                  集合場所  多賀町一円149番地 一圓邸
                          駐車場は、野鳥の森駐車場を利用してください。
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 お申し込み、お問い合わせは、
  多賀町商工会(担当:野村) TEL:0749-48-1811 または、
  滋賀大学産業共同研究センター(担当:畑中)0749-27-1141まで
 
 多賀はそばの栽培面積では県内第1位です。そのそばの花を観賞し、有機農業などで地域活性化に取り組む「多賀クラブ」の皆さんと新米の食事会を行います。
この行事は、「多賀クラブ」、彦根景観フォーラムの共催です。ぜひご参加ください。
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by hikonekeikan | 2008-09-21 14:51

彦根まちなか見聞録5 見えてきた彦根の地域観光戦略

彦根物語52「400年祭経済調査から見えてきたもの」     
    滋賀大学経済学部准教授 得田 雅章 
     2008年9月20日
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 得田先生は、計量経済学が専門。
 アメリカの大手証券会社リーマンブラザースの破綻、大手保険会社AIGの公的管理移行などから、日本の金融危機を思い起こす現在ですが、あの金融危機の時代の貨幣供給量と経済指標の変化の関係の検証に取り組む若手の先生です。
 その先生と滋賀大学の山崎教授が、彦根市の委託をうけて、国宝彦根城築城400年祭の経済効果の調査をされた結果、大変おもしろいことがわかってきました。



経済でも大成功の400年祭
 得田先生の調査は、400年祭の期間である平成19年3月21日から11月25日までの250日間に彦根を訪れた観光客がどれだけお金を使ったか、観光客と観光事業者の1300件のアンケートから把握し、そのお金が市内に波及しどの程度潤ったのか、雇われる人はどの程度増えたのか推計したものです。

 調査の結果、観光客数は243万人、観光消費額は174億円、経済波及効果は338億円、雇用創出効果は2,872人となりました。観光消費が地域経済に及ぼす効果は1.95倍となり、波及効果は彦根市のGDPの5%を占めました。
 これは、平成11年から18年の平均に比べて、観光消費額で85億円、波及効果で166億円の増加と、ほぼ倍増です。彦根市のGDPを3%も引き上げたことになり、経済波及効果では3人世帯で45.3万円の増があった計算になります。
 400年祭は、彦根市の経済にとっても大成功だったのです。

観光による経済効果を高める戦略
 この調査自体が観光マーケティングの重要な資料ですが、さらに得田先生は、これで得られた経済モデルを使って、観光振興のポイントを指摘されました。これがとてもおもしろいので紹介しましょう。

 あなたは、彦根市長です。400年祭後は観光客が大幅に減る可能性があります。それに負けないで、経済効果をさらに50億円増やすにはどうしたら良いでしょうか。
 第一は、日帰りの人に宿泊してもらう(宿泊率増加)ケースです。年間140万人の観光客の1割が宿泊客ですが、これを倍増すると50億円の効果が得られます。
 第二のケースは、現状のまま観光客数を増やすことで、176万人と36万人もの増加が必要です。
 第三のケースは、日帰り客の客単価5,200円を500円上げて、人数を166万人と26万人増にすることです。

 宿泊数を倍増するには、ホテルや旅館などへの先行投資が必要ですし、観光客数を大きく増やすには、交通や飲食、公共施設の整備が必要で長期的に取り組むべきことです。
  これに比べると、客単価を上げることは短期的に取り組めるのです。500円でいいから買ってもらえる、魅力的なお土産や食べ物を創造することがいかに重要かがよくわかります。

 さらに、経済波及効果にとって重要なポイントは、観光にかかる本社比率が47%と低いことです。モデルで原材料の市内調達率をあげても、波及効果は上がりません。本社比率を60%に上げることで50億円の効果が上がるのです。彦根で起業する地元ビジネスを増やすことがいかに地域経済にとって重要かがよくわかる結果です。

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ひこにゃんの経済効果d0087325_13354717.jpg
 彦根の超人気キャラクターとなった「ひこにゃん」。
 期間中のひこにゃんグッズの購入額は16.5億円、乗数が1.50と推定して25億円もの経済効果があったと得田先生は見ています。
 さらに、今年になっても彦根への観光客数が大きく減らないのはひこにゃん効果のおかげとも言われています。 データは、ひこにゃんグッズの購買額が、関東から来た人で最も高く、遠距離からひこにゃん目当てに来る人の多いことを示しています。

 ひこにゃんこそ、キャラクター部門の「地域ブランド」第1号ではないでしょうか。
 そして、しまさこにゃん、いしだみつにゃんの「佐和山主従」もいまや大人気です。さらに「おおたににゃんぶ」、滋賀大学の谷口研究室のマスコット「かもんちゃん」も誕生しました。まるで、東京ディズニーランドのようなキャラクターの充実ぶりです。

浮かび上がった彦根観光の弱点
 宿泊客、日帰り客とも、立ち寄ったスポットがお城だけという人の割合が意外に高く、お城とキャッスルロードの2カ所という人が7割近くあります。宿泊する人でさえこのような状況は観光スポット数が足りないという致命的な弱点を示しています。
 仮に、ひこにゃんブームが去れば、どうなるのでしょうか? 泊まっても行く場所がない・・?。

 私はそうは思いません。
 観光は「あご、あし、まくらが高級であればよい」という時代ではなく、「心の満足」の時代なのです。彦根には行く場所は沢山あるのですが、それにふさわしい価値の発見と観光システムの開発がされていないだけなのです。

 参加者の話題もこの点に集中しました。
 観光資源としての琵琶湖と彦根城がリンクできていない。夢京橋、四番町と花しょうぶ通りを結ぶ回遊路ができたら・・。芹川の「けやきみち」も取り入れられないか。もっと自転車を活用できないかなどなど。
 個人的には馬車が巡回すれば素敵と思うのですが、ウィーンやN.Y.で走っている馬車はコストが高く料金も高い、道路に落ちる糞の始末が大変ということでした。世界中を旅した人たちが集まっているんだなあと妙に感心しました。

霧が晴れる「見える化」
 ともかく、観光に関しては様々な意見があるのですが、数量的な裏付けがありませんでした。これで、かなり霧が晴れました。是非、今年も調査を続けて、400年祭後の彦根経済を「見える化」してください。
 それから、われらが「ひこね街の駅・寺子屋力石」のキャラクター「しまさこにゃん」、「いしだみつにゃん」も、ますます大活躍します。
 もう、彦根のコンテンツ戦略から目が離せません。 (By E.H)
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次回は、10月4日(土)10:30~
「生まれ変わった商店街 -四番町スクエア・新しい街への取り組み」
 四番町スクエア協同組合理事長 中村 繁司さんの奮闘の物語です。

どなたでも参加できます。ルアムのおいしい紅茶やチャイを飲みながら、一緒に楽しみましょう。
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by hikonekeikan | 2008-09-21 13:54 | 談話室「それぞれの彦根物語」

彦根まちなか見聞録4 パン屋のおっちゃんは、熱血アートプロデューサー

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 9月13日(土)は、「県内の芸術家さんとの出会い 高宮町蝸牛会アート展について」だった。
 いつもどおり10時20分頃に「寺子屋力石」に行くと、入り口前に大きな「ひこにゃん」の立看板が出され、そのまわりに人があふれていた。通りの反対側の軒先にも6人ほどの人が立って熱心に話している。
 中に入ると、また「ひこにゃん」看板、壁面には大きなテント絵と「若鮎」と書いた大墨書。混雑しているため立ち止まっていると、すぐに威勢のよい声がとんできて、「スタッフさん、名簿に記入してもらって!」。女性スタッフに促されて住所、氏名を記入した。次回のアート展の案内を送っていただけるという。
 「アートだから」とスマートなイメージを持っていたのがみごとに裏切られた。この演出、顧客管理はイベント・プロデューサーのものだ。


d0087325_1446314.jpg11年続く町の手作りアート展
 馬場貞二さんは、彦根市高宮町の「クラウンブレッド平和堂」の店主。400年祭では、「ひこにゃん」を手書きした特大パンを販売して話題を呼んだが、その普通の「パン屋のおっちゃん」が、実は、高宮町全体を巻き込んだ現代アート展「蝸牛会アート展」のプロデューサーだったのだ。

 高宮町蝸牛会の活動が始まったのは平成9年度の福山聖子風景画展から。蝸牛とは「かたつむり」のことで、現代アートとは不釣り合いな感じがするが、由来は不明だ。

 事の発端は、細密な線で古民家を描く福島さんが、古い蔵の残る宿場町の高宮町でスケッチをしては、馬場さんの店でパンを少しづつ買って帰ったことから。「パンがおいしい」と福山さんからほめられた馬場さんは、たちまち彼女の大ファンになり、彼女の絵画展をお寺で開催する。会場で来場者にパンを無料で配ったら150個のパンがたちまちなくなった。

 「高宮町の人たちはこれほど芸術に飢えているのか」と感じた馬場さんは、平成11年に再び福山さんの絵画展、蓮渓円誠のからくり玩具展、渋谷章の獅子舞写真展を開催する。以後、絵画、書、陶芸、藍染、生け花、ガラス工芸、タペストリー、絹衣、木工、三線、よし笛、テント壁画とジャンルを変えつつ、毎年開催し、平成20年度で11回を迎えた。

遠いアート、近いアート 
 会場は、高宮地域文化センター、徳性禅寺、高宮小学校と広がって、大きなテントに絵画や墨書を描いたテント展は全長170m。著名な作家だけでなく、小中高校の美術部、幼稚園や保育園、市民グループ、個人や家族が、43枚を描いた。
 さらに、力石で上映されたDVDでは、ライブイベントとして岩村哲士が実際に絵を描く姿が映し出された。生命をつなぐ「いきもの」の力があふれる絵と、それを描く作家の創作の力あふれる姿を高校生と思われる人たちが大勢で、間近に、熱心に見ていた。

 いわゆる美術館で開かれる美術展ではあり得ない特徴である。前者を「遠いアート」と呼ぶなら、これは「近いアート」だ。地域の人々が自ら主催し、暮らしの中で生きる楽しみを見いだし、暮らしを楽しむ、普通の人が普通に参加し、楽しむことのできるアートだ。
 こんな力強い手作りアート展をプロデュースする馬場さんとスタッフはどんな人たちなんだろう? 俄然、興味がわいた。
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すごいパン屋のおっちゃん、おばちゃん 
 これだけのアート展を毎年開くと資金が心配になる。
 いくら手作りとはいえ、チラシの印刷やテント地などの材料だけで50万円、全体では100万円ぐらいかかるそうだ。入場無料だから寄付集めも大変で、地域の商店や大手企業の工場に協賛してもらう。さらに、安い報酬しか払えないため作家の招聘も大変で、馬場さんは商売そっちのけで、何度も足を運んでいるらしい。

 まわりの人によると、馬場さんは「熱意と思いこみ」の人で、自分たちは必ずできると信じて私利私欲を超えて行動する。その人柄と行動力が多くの人に感動を与え、活動に巻き込まれていくという。馬場さんのような「アホの旗振り」がいなければ何も変わらないと参加者の一人は表現された。「アホ」とは、「自分の得にならないのに」という意味だ。

 馬場さん自身も「迷ったときは、損得よりも善悪を考える」ことを信念にしていると述べられたが、力石に来た人たちは、一様に「奥さんが偉い」という。後で判ったが、奥さんもスタッフの1人として力石に来ておられた。その奥さんを前にして、みんなが「支える奥さんが偉い」というのだから、よほどすごいのだろう。

スタッフも市民作家もすごい 
 ところが、すごい人はこれだけではなかった。
 元教員で80歳近い方が企業の相談役としてアート展を支えていたり、地域の企業を定年退職後ビデオ映像づくりに取り組んでNHKの全国ビデオ映像大賞に応募し3位に入った人がアート展の記録を担当したりと、多士済々。

 そんな人たちが9時前に力石に来て、10時半からの準備をしていたのだ。「ひこにゃんパン」も用意されていた。みんなで切り分けていただいたが、なつかしいカステラパンで、柔らかい生地にクリームがおいしい。注文すれば作ってもらえるそうだ。
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アートによるまちづくり 
 最後に、コーディネーターの山崎滋賀大学教授が、アートによるまちづくりを紹介された。一昔前まで「まちづくり」は、建築や都市計画などの土木建設分野が主役だったが、近年は、文化や芸術、教育などが「まちづくり」の主役になっている。
 アートは人を活性化し、創造によって地域を再生する力を持っている。「創造都市」には多くの人が集まる。世界的に有名な例は、スペインのビルバオで、鉄鋼業の衰退でさびれた都市を再生するため、芸術家を町に住まわせて作品を発表させる「アーティスト・イン・レジデンス」が進められた。アートのもつ可能性は大きい。是非、アーティストが住む町にしようと締めくくられた。
                                            (By E.H)
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それぞれの彦根物語52
 来週、9月20日(土)は、滋賀大学経済学部 得田雅章准教授の登場です。
 「400年祭経済調査からみえてきたもの」  
400年祭で彦根は大きく変わりました。市民に自信が生まれたように思います。
では、経済調査では何が見えてきたのでしょうか。得田先生、期待しています。
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by hikonekeikan | 2008-09-15 15:07

《談話室》 それぞれの彦根物語 2008.9.6

【彦根物語50】
 「井伊直弼・大老料理の再現」

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小島 盛義
(滋賀大学彦根地区生活協同組合 店長)





私は滋賀大学彦根地区生活協同組合(以下:生協)で働く中で、大学の方々、学生から「彦根(滋賀大学)に来てよかったと感じてもらいたい」という想いを常日頃、感じます。生協の中期計画の中でも高らかに提唱し、学生に実感してもらえる企画ができないものかと考えおりました。
 そんな中、滋賀大学成瀬学長の「学生に食の大切さを感じてもらいたい」という想いを具体化するなかで経済学部森先生から、昭和63年に〝`88近江政経文化塾〟の企画(料亭伊勢幾)で再現された井伊直弼大老のお品書きに出会いました。
 このお品書きは、(井伊直弼)大老が幕閣を邸に招いた時、ご自分で書いた献立を、料理方の牧山鍈吉につくらせた由に記念に押印されたものを子孫が保管され、昭和63年にたちばな会の竹岡弘澄さん(当時88歳)が探し当てたものです。


■井伊直弼大老のお品書き■ (「大老料理を食べよう」プログラムより)
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■`88近江政経文化塾で再現されたお品書き■(伊勢幾にて)
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 国宝・彦根城築城400年祭滋賀大学協賛実行委員会の企画〝大老料理を食べよう〟(平成19年11月1日経済学部講堂、参加者120名)で実施し、多くの市民、学生に味わっていただくことができました。

井伊直弼大老に扮する成瀬学長
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会場の様子
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大老料理
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 大老が献立に挿絵を入れられほどお料理は鶏の酒煎り蒸、焼鴨の大根おろし添え、皮付き鯛の塩焼き山椒など当時としては、贅を尽くした山海の材料を用いられ、参加者からは「おいしい」という声をいただきました。
 当日の企画は、成瀬学長が井伊直弼に扮装する衣装の手配や、お茶会のアイデア、道具の手配などは商店街の方々、邦楽部の琴の演奏、茶道部の学生など多くの方々にご協力をいただきながら成功裏に実施することができました。また、平成21年3月1日のひこね開国フェスタで再現を計画しております。

【キーワード】
滋賀大学
滋賀大学彦根地区生活協同組合
牧山鍈吉
たちばな会
ひこね開国フェスタ
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by hikonekeikan | 2008-09-08 18:35 | 談話室「それぞれの彦根物語」

彦根まちなか見聞録3 おいしい400年祭、おいしい彦根

それぞれの彦根物語50
 汲んでも汲んでも次々に湧きいでる「物語の泉」。
今回は、「それぞれの彦根物語」が始まった頃は思いもしなかった50回目。市民の物語が、ここまで豊かで、尽きることなく続くとは想像もできませんでした。
 まだまだ、素敵な人、感動の物語が眠っているに違いありません。

d0087325_14372224.jpg 井伊直弼・大老料理の再現 
 記念すべき50回目の主人公は、滋賀大学彦根地区生活環境組合 店長 小島盛義さん。
 小島さん達は、彦根城築城400年祭滋賀大学協賛事業として、井伊直弼直筆の献立に基づき、幕閣をもてなした「大老料理」を復活し、2007年11月1日、経済学部講堂を彦根藩邸に見立てて、市民ら100名を招待し、料理とお茶と琴でもてなしました。

  「大学生協がなぜ、大老料理を?」と思いますが、実は伏線がありました。小島さん達生協の職員は、学生が朝食に関心を持たないことに強い懸念を抱いていました。同時に、全国各地から集まった学生の多くが、地域と無関係で「彦根に来て良かった」という実感を持たないことにも強い問題意識を持っていたのです。


 立ち話から大老料理が復活

 どうしたらいいのだろうと考えあぐねた小島さんは、ある教授と立ち話をします。すると、その教授は、「そういえば、20年くらい前に、井伊直弼の料理を食べたことがある。資料を探してみる。」と、私から見ればとんでもない事を言い出します。おそらく小島さんもそう思ったでしょうが、教授の方が一枚上でした。翌日には、献立表が届きます。
 ここからが小島さん達の偉いところで、200年1月に、その献立を再現して学生達に試食させ、おいしいという評価を得ます。しかし、原材料だけで1500円、売価は2500円~3000円もする料理を、学生に出すのはやはり無理でした。当然ストップします。
 でも、実行した成果は、みごとに400年祭で復活します。まさに「復活・大老料理」の復活です。
 
衣装も茶器も 思いは伝わる
 おもしろかったのは、このイベントで、学長に井伊直弼に扮してもらおうとしたのですが、衣装がありません。商店街の人に相談したら東映太秦映画村につないでくれて、ついに井伊家の家紋までそろいます。茶道部の協力をえてお茶を出そうと考えますが、100名分の茶器はとてもありません。これも商店街の人に相談したら、快く貸してもらえました。
 困ってもあきらめないで、いろいろな人に相談すればいいんですね。心が暖かくなる話です。


食べてみなくてはわからないこの味を、再び
 大老料理を試食しました。どれもおいしくて、小島さんの話を聞くのも食べながらです。
「いり鶏」は、薄味でヘルシーで女性に人気でした。「鯛の皮付き さんしょ」は、鯛の皮付き切り身を直火であぶって塩味と山椒でぴりっとした味。「赤味噌・魚田青串」は、サンマを素焼きにして、赤味噌をのせ田楽にしたもので、食べたことのないおいしさ。「塩むし きす」は、塩を打って蒸したキスで、栗の甘煮と合わせると本当においしいだろうなと思わせます。
 実は、大老料理が味わえる機会がもう一度あります。2009年3月1日、滋賀大学にて開催予定の「ひこね開国フェスタ」。今回はなかった「鴨、大根おろし」もあるフルセットです。絶対参加します。
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おいしい彦根 
 こういう「彦根物語」もいいですね。これまで食物、飲物の話はあまり出てこなかったのですが、それも不思議ですよね。 「400年祭シリーズ」が終わったら、「おいしい彦根シリーズ」はどうでしょうか? 
 えっ!来週の彦根物語も「おいしい」?  でも、来週は、9月13日(土)10時半から
「県内の芸術家さんとの出会い  -高宮町蝸牛会アート展について」 馬場 貞二(クラウンブレッド平和堂)さんですよ。 ああっ!「ひこにゃんパン」だ!

多賀「里の駅」シンポジウム 
 もうひとつ、おいしいイベントを紹介します。
 9月28日(日) 第1回多賀「里の駅」シンポジウム を開催します。
 11時から「そばの花鑑賞会と新米での食事会」を多賀町一円地区で。参加費は1500円。そのあと14時から築250年といわれ、井伊直弼も泊まった「一圓邸」で、「一圓邸内覧会と多賀「里の駅」のめざすもの」と題したシンポジウム(参加無料)を開催します。
 多賀はそばの栽培面積では県内第1位です。その多賀そばや有機農業などで地域活性化に取り組む「多賀クラブ」と彦根景観フォーラムの共催です。ぜひ参加してください。
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by hikonekeikan | 2008-09-07 14:56