彦根景観シンポジウム2010 開催にあたって
フォト・レポート 歴史まちづくりの現状と課題:彦根市芹橋地区
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彦根景観シンポジウム2010 11月23日(祝)
彦根・芹橋地区のまちづくりを考える
-路地を生かした歴史的まちなみの保存と再生-
第1部 芹橋地区現地視察 11時~12時 四番町スクエア広場 集合
第2部 シンポジウム 13時~16時 四番町ダイニング3Fホール
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江戸時代に彦根藩最大の足軽組屋敷があった芹橋地区は、幅員一間半(2.7m)の路地が計画的に作られ、路地に沿って約700戸の足軽組屋敷が整然と配置されて、要所に辻番所、どんつき、くいちがいなどが設置されていました。また、路地に面して土塀が並び、見越しの松が美しく映え、芹川の堤防からは家なみの向こうに彦根城を望むことができました。
現在これだけの足軽組屋敷が現地に残っているのは、ここ以外にありません。 しかし、この歴史的景観も劣化・改変が進み、最近では、住民の高齢化、空家の増加、老朽化による建替などによって、足軽屋敷は十数件を残すのみとなり、それも次々と壊されて存続の危機に瀕しています。路地も住宅の建て替えなどによりかつての姿を消しつつあります。
私たちは、歴史的景観の保存と同時に、ここに住む住民や将来の住民である若者にも魅力のあるまちづくりを進める必要があります。
そこで、シンポジウムの開催に先立ち、芹橋地区の現状を、町並み、路地の景観、交通、コミュニティ、防災の面から写真で紹介します。
芹橋地区の現状と課題:フォト・レポート
1、足軽組屋敷の町並みの現状と課題
(ア)足軽組屋敷
(イ)老朽化し、空屋になっている。その後、壊され空地となる。
2010年7月の景観
同じ場所の2010年11月現在
(ウ)修理されている足軽屋敷、修理されるのは、ごくわずか。
(エ)新しい建物への建替。自動車を自宅に駐めることが前提の家。
(オ)アパート(集合住宅)、周囲より高層の住宅
この結果、家並みの不調和、路地の改変が進んでいる
2.路地の景観
(ア)歴史的な路地と土塀の再現
(イ)様々な塀(ブロック塀、目板塀、生け垣、コンクリート塀)
(ウ)植栽としつらえ(臥竜の松、見越しの松、しゅろ、まきなど)
(エ)塀と植栽を持たない・前面駐車の家
3.路地と交通
(ア)歩行者、子ども、高齢者、猫、自転車、自動車
(イ)自動車を進入を前提にした住宅の建て方
(ウ)路地の狭隘化 電柱、排水路などで路地が狭まっている
4.コミュニティと防災
(ア)消火バケツの常備
(イ)稲荷を祀る。かつては地蔵さんを借りて地蔵盆をした